では、実際にキセキのインストセクションのアレンジをやっていきましょう。
こちらの記事で紹介した内容をもとに実践的なアレンジのポイントを押さえていきます。一緒に楽器で音を鳴らしながら進めてみてくださいね!
この記事のポイント
- キセキの「イントロ」と「間奏」のアレンジの方法がわかる。
1.Introのアレンジ
実際にアレンジをしてく前に、まずはIntroを聴いてみてください。
ピアノのメロディーが鳴っているのがわかると思います。
アレンジの雰囲気から手弾きでの演奏というよりパソコンで作られているようなアレンジなので、ピアノで演奏するには工夫が必要そうです。このように判別しづらい箇所について、どんなふうにアレンジしていくかを見ていきましょう。
ポイント
Introのアレンジは「1番のAメロ」や「最後のAメロ」にもそのまま当てはめて演奏できますこのように、ひとつのセクションのアレンジを他のセクションに用いることでより印象的にする効果があります。
1. メロディーを弾く
最初にメロディーを抜き出した楽譜を見てみましょう。前述のとおり、判別しづらい部分もありますが要所となるメロディーの雰囲気が掴めていることがポイントです。
2. 左手を加える・左手をアレンジする
次に左手を加えていきましょう。まずベース音を加えたものを聴いてみてください。
ベースが加わるだけで雰囲気が出てきましたね!静かなイントロなので、ここでは特にアレンジせずこのまま次のステップに進めてみましょう。
3. 右手に和音付けする
次に右手の和音付けをやっていきます。とても大切なステップなのでじっくり取り組んでくださいね。
まずはこちらをお聞きください。
一気に様になりましたね!和音が加わると音楽的で華やかなアレンジになります。ここでアレンジしたポイントについてみていきましょう。
ポイント1
基本的にはコードチェンジのタイミングでコードトーンを加えて和音感を持たせています。「赤」の部分は、8分音符早く鳴っているメロディーをキープして、追いかけるように和音を弾いています。
ポイント2
「青」の部分はコードトーンをキープしながらメロディーを弾いています。ペダルを踏んでいる箇所なので、キープできなくてもさほど支障はありません。弾きづらければ離しても構いません。
ポイント3
「緑」の部分は和音を加えるタイミングを敢えてずらしています。コードチェンジのタイミング以外でも拍のタイミングに重ねるとハマることが多いです。
4. 調整する
ここまででもアレンジは十分完成していますが、左手の音を追加してみましょう。
全体的にサウンドに厚みが加わりましたね!
左手はベース音を単音で鳴らしてきましたが、ルートに加えてコードトーンを加えています。5小節目は「ルート+5度+ルート」のアルペジオを加えて、流れるような雰囲気をつくりました。
このように手順が前後することはありますが、基本的なステップを踏まえて試行錯誤を繰り返すことがブラッシュアップにつながります。
いきなりここまでのアレンジを作ることは難しいと思いますが、実際に今回のアレンジの手順に沿って実践してみてください。
2.Interのアレンジ
次にInterのアレンジを聴いてみましょう。
このセクションは管楽器のような音色でメロディーを弾いているのがわかります。後半は歌が入ってきてメロディーが少しわかりづらいですね。
このセクションも具体的に見ていきましょう。
1. メロディーを弾く
まずは印象的に感じるメロディーを抜き出してみました。
聞こえづらい箇所もあるかもしれませんが、実際に原曲に合わせて上記を弾いてみてください。その後に聞き直してみるとメロディが聞こえやすくなっているはずです。
2. 左手を加える・左手をアレンジする
次は左手を加えていきましょう。まずはルートを加えます。
次に、左手をアレンジしていきます。雰囲気的にアルペジオが合いそうです。
「ルート+5度+ルート」のアルペジオや、「ルート+5度」のボイシングを主体に加えてみました。かなり雰囲気が出来上がりましたね!
3. 右手に和音付けする
最後に右手を加えていきましょう。
華やかなアレンジになりましたね!それぞれのアレンジのポイントをみていきましょう。
ポイント1
基本的にはコードチェンジのタイミングでコードトーンを加えています。2音・3音の箇所がまちまちですが、左手との間隔が近すぎるところや、3音だと厚く感じる部分は2音にしています。
ポイント2
「赤」の歌が入ってくる部分でしっかりコードを鳴らすことで、メロディー部分との対比を作っています。
ポイント3
後半の印象的なメロディーの部分はオクターブ(「青」の部分)に、最後の小節(「緑」の部分)はコードトーンに沿ってEmにつながりやすいラインを作り、オクターブの音と6度のハモリを加えています。
このような感じでアレンジを作っていきます。
ポイント3に関してはちょっと難しかったかもしれませんが、スケールに沿って6度ハモリを加える方法はコードトーンにしばられずハーモニーをつける常套手段です。ぜひ活用してみましょう!
Interに関してはこれで完成でもよさそうです!
まとめ
というわけで、IntroとInterの具体的なアレンジを解説してきました。
アレンジを充実させるアイデアも盛り込んでいますがが、左手のアレンジと和音付けの部分までできるようになると色々な楽曲のアレンジが楽しめると思います。ぜひやってみてください!
この記事のポイント
- メロディーは完全に一致しなくても、要所となる流れがつかめていればOK。
- まずは左手アレンジと和音付けを身につけよう。
- メロディーが拍をまたがる場合、和音付けはコードチェンジに合わせて検討する必要がある。