コードの押さえ方をリズムに当てはめることで、リズムを豊かに表現することを解説しました。
今回は分散和音を少し掘り下げて、「add9」というコードの活用方法を説明します。
この記事のポイント
- 「add9」の分散和音についてわかる。
- 実際の楽曲での活用方法がわかる。
1.add9とは?
「add9(アド・ナインス)」とは、三和音に9番目の音を足したコードのこと。addは英語で「足す」という意味なので、9(ナインス)を足してね、ということです。
きれいな響きですね!上記のように、Cadd9の場合、Cメジャーコードの9番目の音「レ」を足すことになります。
また、「add9」は「9番目の音を1オクターブ下げて使う=2番目の音として使うことが多い」ことから「add2(アド・ツー)」と表記されることもあります。表記は異なりますが、同じコードを指してますので惑わされないようにしましょう。
メジャーコードよりおしゃれな雰囲気を感じます。
1. add9が使えるコード
「add9」はメジャーコード・マイナーコード両方で使えますが、マイナーコードでは一部利用に注意が必要です。今回は確実に使用できる「メジャーコード」に限定して使います。
つまり、Key=Cの場合は「C・F・G」の3つのメジャーコードではadd9が使えるわけですね。
ポイント
コードネーム上でadd9の記載がなくても、メジャーコードでは積極的に使用することができます。もちろん、楽曲の雰囲気を考慮する必要はありますが、今回紹介する使い方を覚えて積極的に活用してみてください。
2. add9のコードフォーム
コードの押さえ方のことを「コードフォーム」という言葉で表します。主にギターなどの弦楽器で使われる用語ですが、ピアノでのコード弾きをわかりやすく伝えるため、当サイトではコードフォームという言葉を使って説明します。
add9を伴奏で実践的に使うために、2つのコードフォームを理解しておきましょう。
- Aフォーム:基本形に2番目の音を足した形
- Bフォーム:第二転回形に2番目の音を足した形
これらのフォームを活用して伴奏をアレンジしていきましょう!
2.add9のフォームを使った分散和音
では、実際に2つのコードフォームの使い方をみていきましょう!
ポイントは3つ。
- 第五音(5度)をキープする
- 1・2・3の音の並びを変える
- 第五音の位置をオクターブ上下する(AフォームとBフォーム)
それぞれのコードで具体的に解説していきます。
Cadd9
Aフォームの場合は5の音を小指で、Bフォームの場合は5の音を親指で演奏してください。そして、5の音をキープしながら1・2・3の音を下記の順番で鳴らします。
- 2→3→1
- 1→2→3
- 3→2→1
Aフォーム
Bフォーム
1・2・3の音を動かして使っているので、メロディアスな演奏になります。第五音を一緒に鳴らすことで、単音で演奏するより和音感が加わり音に厚みが出るのがポイントです。
Fadd9
次にFメジャーコードでも見てみましょう。
Aフォーム
Bフォーム
Gadd9
次にGメジャーコードです。
Aフォーム
Bフォーム
このように各メジャーコードの雰囲気を保ちながら、音に動きを加えることができます。
左手のオクターブ弾きを絡めたアレンジ例
今回のadd9フォームでも、前回の分散和音の記事で表現したような「タタトン」といった雰囲気のリズムになりました。左手のオクターブ弾きを組み合わせると下記のようにアレンジすることもできます。
この弾き方も実際の演奏では頻繁に登場します。どちらの弾き方も自由に使えるようにしておくとバリエーションを増やせるでしょう。
3.add9の分散和音を使ったアレンジ例
では、実際にコード進行上に取り入れてみましょう。雰囲気がどのように変わるかチェックしてみてください。
アレンジ例①:メジャーコードに取り入れる
わかりやすく全てのメジャーコードに加えてみました。伴奏の中にメロディアスな音の流れができているのがわかるかと思います。
入れすぎるとくどくなるのでほどほどに!そして、歌の邪魔にならないように注意して使ってください。
アレンジ例②:分散和音をミックスする
次に分散和音を混ぜたものを聞いてみてください。
分散和音との組み合わせはとても相性がよく、うまく組み合わせればリズミカルな伴奏が作れます。やりすぎ注意ですが、ただの4分弾きからここまで発展させる感覚が掴めると伴奏の自由度がかなり高くなるでしょう。
まとめ
メジャーコードを「add9」として使用することで、さらに華やかなエッセンスを加えることができました。分散和音とセットで活用できるテクニックなので、ぜひマスターしてください!
この記事のポイント
- add9の記載がなくてもメジャーコードでは積極的に使用できる。
- add9は「基本形のAフォーム」「第二転回形のBフォーム」を覚えておくと活用しやすい。
- 分散和音と同様「2・4拍目」「3拍目」を意識して加えるとよい。