楽器の演奏をする上で欠かせない、音の読み方・数え方、その考え方について解説していきます。
楽器演奏には、音の読み方や数え方がとても重要です。
まずはどんなものがあるのかを知ること、そして実際に使いながら少しずつ理解を深めていきましょう!
1.音名
音名(おんめい)とは、その名のとおり音を表す名前です。日本では「ドレミファソラシ」のイタリア音名が主流ですが、国やジャンルによって読み方が異なります。
ポップスで使用するのは主に2つ、イタリア語音名と英語音名です。とくにコードを理解するにあたって英語音名は避けて通れませんので、今のうちから慣れていきましょう。
イタリア語 | ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ |
英語 | C | D | E | F | G | A | B |
日本語 | ハ | ニ | ホ | ヘ | ト | イ | ロ |
では、鍵盤で音名を見ていきましょう。
白鍵部分の「ドレミファソラシド」が基本となり、黒鍵部分は白鍵の音に#や♭をつけて表します。
黒鍵の音は2つの読み方がありますね。例えば、ファの半音上は「ファ#」ですが、同時にソの半音下の「ソ♭」と同じ音になります。
どちらの読み方をするかは音階や調などによって異なるため、別の機会に解説します。
次に英語音名を見てみましょう。
アルファベットになっても考え方は同じです。白鍵部分が「CDEFGAB」で理解できていれば、#や♭で音を読むことは難しくありませんね。
こうように、どの鍵盤の音でもイタリア語・英語それぞれの音名で呼べるように慣れていきましょう!
2.音程と度数
次に「音程(おんてい)」と「度数(どすう)」について解説していきます。簡単に説明すると下記のようになります。
- 音程:2つの音の高さの間隔
- 度数:音程の単位
それぞれより詳しくみていきましょう!
音程
音程とは2つの音の高さの間隔、つまり「ある音ともうひとつ音の距離」を示したものです。
音程はメロディーやハーモニーを作る上で、「どのような音が次に来るか」「どのような組み合わせになるか」で心地よさが決まるとても重要な考え方です。
この間隔(距離)を理解するために、「半音」や「全音」などの音程を表す言葉を用います。
上記の場合、半音8つ分の間隔(距離)があるということですね。
ただ、いちいち音程を半音●個という風に数えていられませんので、次に説明する「度数」という考え方があります。
度数
度数とは、音と音の高さの間隔(距離)を数字で理解するための単位のこと。
例えば、ドからレは半音2つ分の間隔ですが、度数では「長2度」と表します。
下記に音程と度数を示したものを用意したのでご覧ください。
これらの度数の名前をいきなり覚えるのは大変です。慣れるまでは資料を印刷して壁に貼っておくなど、いつでも見える状態にしておくのがオススメです。
音程と度数をセットで理解しておくことが、音感の強化や音楽力の向上にとても役立ちます。
3.各音程の響き
それでは、実際にそれぞれの音程を聞いてみましょう。
はじめに同時に鳴らしたもの、次に順番に鳴らしたものをそれぞれ用意しました。
覚えようとしなくてもよいので、各音程の響きや雰囲気を感じてみてください。
曲の演奏とは、言い換えると「音程の演奏」でもあります。演奏する際に音程を意識していると、だんだん理解が深まっていきます。まずは、音程と度数の響きや考え方をざっくりと押さえておきましょう。
完全一度
音が完全に一致した状態、すなわち同じ音です。
増一度・短二度
音程が半音1つ離れている状態です。不快で不穏な響きに感じます。
長二度
音程が半音2つ離れている状態です。
増二度・短三度
音程が半音3つ離れている状態です。暗い響きが特徴です。
長三度
音程が半音4つ離れている状態です。明るい響きが特徴です。
完全四度
音程が半音5つ離れている状態です。
増四度・減五度
音程が半音6つ離れている状態です。
完全五度
音程が半音7つ離れている状態です。安定感がある響き。
増五度・短六度
音程が半音8つ離れている状態です。
長六度
音程が半音9つ離れている状態です。
増六度・短七度
音程が半音10コ離れている状態です。
長七度
音程が半音11コ離れている状態です。
完全八度
音程が半音12コ離れている状態です。「オクターブ」とも呼ばれます。
まとめ
音名・音程・度数について解説してきました。
音程と度数を覚えるコツは、実際に楽器で音を鳴らしてみること。
演奏するしていく中で音程と度数を意識していると、しだいに音程や度数への理解が深まっていきます。
記事中の資料を参考に実際に手元の楽器で音を鳴らして、響きや雰囲気の違いを感じてみてください!