基本的な三和音と四和音のコードがひと通り紹介できたところで、コードネームの読み方について解説していきます。
コードネームは、最初は複雑に感じても読む順番がわかると一気に理解が進むはずです。
1.コードネームの構造
コードネームはただの記号ではありません。読む順番があり、その通りに読んでいくと自然にそのコードに辿り着くようになっています。
この①〜⑤の順番で読んでいけばよいわけですね。
ひとつずつ解説していきます!
①ルートの指定
すべてのコードの一番左の大文字のアルファベットが、そのコードのルート音を指定しています。
上の図の「Cm7(b5)/F」のルートは「C」となりますね。
②三和音の種類
次に三和音の種類です。基本となる三和音は下記の4つでした。
三和音の名前 | 表記 | 表記補足 |
---|---|---|
メジャーコード | C | ※メジャーコードは無記載 |
マイナーコード | Cm/C- | |
マイナーフラットファイブ (ディミニッシュ) | Cm(b5)/Cdim/C◯ | dimは「◯」と表記されることもある。 |
オーグメント | Caug/C+ | |
上記のように、ルートの次は必ず三和音の種類が指定されています。
今回の場合は「Cm」となります。
③四和音の音
三和音の種類の隣は、四和音の種類を指定します。三和音に下記を追記する形になります。
- △7 = メジャーセブンス
- 7 = セブンス
- 6 = シックス
今回の場合は「Cm」+「7」なので、「Cm7」となります。
④特殊なコードの指定
右上には①〜③で構築されたコードネームに特殊コードを指定する際に表記します。
- b5 = フラットファイブ
- sus4 = サスフォー
- sus2 = サスツー
- その他テンションの表記
今回の場合は「Cm7」+「b5」なので、「Cm7(b5)」となります。
※フラットファイブは()のあってもなくても大丈夫です。
⑤ベース音の指定
基本的にはルート音がベース音(最低音)になりますが、コードネームの右側に「/⚫︎」や「on⚫︎」の表記を追加すると、「⚫︎」の音をベース音に指定することができます。
上の図の「Cm7(b5)/F」のルートは「C」ですが、ベース音は「F」と指定されてますね。
こういったベース音が指定されたコードを「オンコード」や「分数コード」といいます。
オンコード(分数コード)の読み方
仕事の現場でも読み方はさまざまです。「⚫︎分の〇〇」と分数として読む人や、「〇〇オン⚫︎」とそのままに読む人がいます。一概にどちらがよいとはいえませんが、基本的には自分がわかりやすい読み方をするのがよいでしょう。
2.コードネームの読み方実例
それでは、紹介してきたやり方で実際にコードを導き出してみましょう!
今回のお題はこちら!
ちょっと難しそうですが、先に紹介したやり方でひとつひとつ読んでいけば難しくありません。
回答を見る前に、まずは自身でやってみてくださいね!
回答
それでは回答です。順を追ってみていきましょう!
①ルートの指定
まずはルートの音を見つけます。「G#」なので「ソ#」ですね!
②三和音の種類
次に三和音の種類を見つけましょう。
「G#m」となりますので「m(マイナー)」の音程で三和音を作ります。
③四和音の音
お次は四和音です。
ルートの「G#」から長七度音程を探してもいいですし、第五音の「レ#」から「半音4つ(長三度)」上の音を探してもよいです。
④特殊なコードの指定
特に指定がないのでここは飛ばしましょう。
⑤ベース音の指定
最後はベース音。「/A#」と記載があるので、ベース音が「ラ#」をなります。ピアノで演奏する際は、左手ではルートではなく「A#」を弾きましょう。
以上で完成です!できましたか?
まとめ
というわけでコードネームの構造と読み方について解説してきました。
実例問題を通して読み方の感覚を掴んでもらえたらうれしいです。
①〜⑤の順番で読む習慣をつけていくと、だんだんコードネームが読みやすくなっていきます。
②三和音の種類
③四和音の音
④特殊なコードの指定
⑤ベース音の指定