初心者の方へ
四和音は中級者以上のコンテンツで本格的に登場するので、初心者の方は飛ばしても構いません。中級者向けカリキュラムに進んでから改めてこのページで学習してください。
今回は四和音について解説していきます!
四和音になるとコードネームの種類が一気に増えるだけでなく、押さえ方や響きも複雑になっていきます。
そんな四和音を登場頻度別で解説していきます。まずはどういったものがあるのかを知り、その特徴を覚えていきましょう!
和音を覚えるコツは、自分でも楽器を鳴らしてみること!構成音や響きの特徴を感じながら進めてみてくださいね!
四和音(読み) | 登場頻度 |
---|---|
△7(メジャーセブンス) | ★★★★★ |
7(セブンス) | ★★★★★ |
m7(マイナーセブンス) | ★★★★★ |
m7(b5)(マイナーセブンス・フラットファイブ) | ★★★★☆ |
dim7(ディミニッシュセブンス) | ★★★★☆ |
7(sus4)(セブンスサスフォー) | ★★★★☆ |
m△7(マイナーメジャーセブンス) | ★★★☆☆ |
6(シックス) | ★★★☆☆ |
m6(マイナーシックス) | ★★★☆☆ |
aug7(オーグメントセブンス) | ★★☆☆☆ |
aug△7(オーグメントメジャーセブンス) | ★★☆☆☆ |
1.主役的な四和音(頻度:★★★★★)
まずはもっとも登場する3つの四和音を紹介します。
- △7(メジャーセブンス)
- 7(セブンス)
- m7(マイナーセブンス)
これらの和音はいわば主役的な四和音です。楽曲のコード進行の大半は、メジャーやマイナーに関連するこれらのコードが必然的に登場回数が多くなります。
ひとつずつ見ていきましょう!
△7(メジャーセブンス)
メジャーセブンスは、メジャーコードに「長七度」の音を加えたもの。
メジャーコードより爽やかで清涼感のあるサウンドが特徴です。
メジャーコードの第五音に「半音4つ(長三度)」の音程を加えた形でもありますね。
7(セブンス)
セブンスは、メジャーコードに「短七度」の音を加えたもの。別名「ドミナントセブンス」とも呼ばれます。
メジャーコードの第五音に「半音3つ(短三度)」の音程を加えた形でもあります。
第三音と第七音で形成される「減五度」の音程は「トライトーン」とも呼ばれる不安定な響きを作り、完全五度下の和音に進行したい特性があります。(例:G7→C)
m7(マイナーセブンス)
マイナーセブンスは、マイナーコードに「短七度」の音を加えたもの。マイナーコードより暗さがやわらいだサウンドです。
マイナーコードの第五音に「半音3つ(短三度)」の音程を加えた形でもあります。
2.名脇役の四和音(頻度:★★★★☆)
次に紹介するのは、登場頻度はやや減りますが非常に重要な四和音です。
- m7(b5)(マイナーセブンス・フラットファイブ)
- dim7(ディミニッシュセブンス)
- 7(sus4)(セブンスサスフォー)
これらの和音は、引き立て役としての欠かせない四和音です。その存在感はまさに名脇役といえるでしょう。主役的が効果的に活かされるために使われることが多く、非常に重要な和音です。
m7(b5)(マイナーセブンス・フラットファイブ)
マイナーセブンスフラットファイブは、マイナーフラットファイブ(別名ディミニッシュ)に「短七度」の音を加えたもの。
マイナーフラットファイブの減五度に「半音4つ(長三度)」の音程を加えた形でもあります。
dim7(ディミニッシュセブンス)
ディミニッシュセブンスは、マイナーフラットファイブ(別名ディミニッシュ)に「六度」の音を加えたもの。不穏でサスペンス的な響きが特徴です。
マイナーフラットファイブの減五度に「半音4つ(長三度)」の音程を加えた形でもあります。
ディミニッシュセブンスは全て「半音3つ(短三度)」の堆積によって作られていることも押さえておきましょう。
「マイナーフラットファイブ」と「ディミニッシュ」の2通りの呼び方があるのは、四和音になった際に音程の組み合わせで名前が変わるから、とも考えられますね!
7(sus4)(セブンスサスフォー)
セブンスサスフォーは、セブンスの第三音(3rd)を4度(4th)に置き換えたもの。
セブンスの代用としてよく使われるコードです。セブンスより洗練された響きが特徴です。
※サスフォーの詳しい解説はこちら
3.使い方で絶大な効果を得られる四和音(頻度:★★★☆☆)
次に紹介するのは、楽曲の雰囲気によっては欠かせない四和音です。
- m△7(マイナーメジャーセブンス)
- 6(シックス)
- m6(マイナーシックス)
これらのコードたちは特徴的な響きでメロディーとの調和が難しく、使用頻度としては少なめです。
ただ、これらのコードにしか出せない特有の雰囲気があるため、ゆくゆくは使えるようにしていきたい和音です。
m△7(マイナーメジャーセブンス)
マイナーメジャーセブンスは、マイナーコードに「長七度」の音を加えたもの。不穏な響きですが、コード進行の中でうまく使うと絶大な効果を発揮します。
一見ややこしいコードですが、マイナーコードの第五音に「半音4つ(長三度)」の音程を加えた形でもあります。
6(シックス)
シックスは、メジャーコードに「長六度」の音を加えたもの。6度の雰囲気は少し哀愁を感じるサウンドになりますね(※個人的な感想です)。
メジャーコードの第五音に「全音上(長二度)」の音程を加えた形でもあります。
m6(マイナーシックス)
マイナーシックスは、シックスのマイナーバージョンです。
マイナーコードの第五音に「全音上(長二度)」の音程を加えた形でもあります。
4.ポップスではあまり登場しない四和音(★★☆☆☆)
最後に紹介する四和音ですが、登場頻度はかなり低いです。
- aug7(オーグメントセブンス)
- aug△7(オーグメントメジャーセブンス)
JAZZ的な楽曲で見かけることはありますが、ポップスでの使用頻度はかなり少ないと思います。
使いこなせるのは中級から上級者レベルになるため、現時点では参考程度にとどめておくとよいでしょう。
aug7(オーグメントセブンス)
オーグメントセブンスは、オーグメントに「短七度」の音を加えたもの。セブンスの代用として使えますが、クセが強い響きがなので使用頻度は少なめです。
オーグメントの増五度に「全音上(長二度)」の音程を加えた形でもあります。
aug△7(オーグメントメジャーセブンス)
オーグメントメジャーセブンスは、オーグメントに「長七度」の音を加えたもの。こちらもセブンスの代用として使われることが多いですが、響きがかなり特徴的なので上級者向けの和音だと思います。
オーグメントの増五度に「半音3つ(短三度)」の音程を加えた形でもあります。
5.四和音の表記と読み方
三和音同様、四和音の表記にはかなりの個人差があります。惑わされないように一覧にまとめたのでご覧ください。
当サイトで使用する表記は赤字にしています。
四和音読み | 表記 |
---|---|
メジャーセブンス | △7・M7・maj7 |
セブンス | 7 |
マイナーセブンス | m7・ー7・min7 |
マイナーセブンス・フラットファイブ | m7(b5)・ー7(b5)・φ |
ディミニッシュセブンス | dim7・○7 |
セブンスサスフォー | 7(sus4) |
マイナーメジャーセブンス | m△7・mM7・mmaj7 |
シックス | 6 |
マイナーシックス | m6 |
オーグメントセブンス | aug7・+7 |
オーグメントメジャーセブンス | aug△7・△7#5・△7+5 |
まとめ
かなりボリューミーな内容になりましたが、最初は「★★★★★」「★★★★☆」の6つの和音がわかれば十分です。登場頻度が多いため、楽曲を弾いていくうちにだんだん理解が進んでいくでしょう。
- △7(メジャーセブンス)
- 7(セブンス)
- m7(マイナーセブンス)
- m7(b5)(マイナーセブンス・フラットファイブ)
- dim7(ディミニッシュセブンス)
- 7(sus4)(セブンスサスフォー)
コードの理解が曖昧になったら、前回解説した三和音の記事とセットで復習してください!