今回はいよいよコード(和音)について詳しく解説していきます。
和音の知識は、伴奏だけでなく、アレンジや作曲、即興演奏といった音楽のさまざまな分野の基礎になっていきます。
この記事ではコードの種類や、コードがどのように成り立っているのかについて解説していきます。
1.コードの種類
コードの種類は多岐に渡りますが、まずは重ねる音の数で分類してみましょう。
重ねる音の数 | 日本語読み | 英語読み |
---|---|---|
3つ | 三和音 | トライアド(Triad) |
4つ | 四和音 | テトラッド(Tetrad) セブンスコード(Seventh Chord) |
5つ以上 | ー | テンションコード(Tension Chord) |
重ねる音の数が増えるほど和音の響きは複雑になり、演奏の難易度もあがります。
いきなりあれこれ手をつけず、まず最初に三和音に絞ってマスターしていくことが大切です。多くの楽曲は三和音だけでも十分成り立ちますし、四和音以上は三和音の応用です。
この記事では三和音についての基礎をしっかり理解していきましょう!
2.コードの概要
コードとは基本的に3つ以上の音を重ねた和音のことを指します。
コードを理解するためのポイントは2つ。
コード理解のポイント
- コードとは音程の組み合わせ、構成されている音と響きを理解する。
- コードネームと構成音をセットで覚える。
この2点をセットで理解することが、コードを覚えていく上でとても大切です。
コードとは音程の組み合わせ
コードとはこのようにも定義できます。
※音程については下記の記事で詳しく解説しています。
例えば、Cメジャーコードを構成する音は【ド・ミ・ソ】ですね。
- ド〜ミの音程:半音4つ分(長三度)
- ミ〜ソの音程:半音3つ分(短三度)
このようにド〜ミの音程とミ〜ソの音程の組み合わせであることがわかります。この音程の組み合わせが「メジャーコード」の構成音です。
半音「4」と「3」の組み合わせと覚えましょう!
もうひとつ、この考え方で「F(ファ)」の音を起点に考えてみましょう。
図のように「ファの音から半音4つ分(長三度)の音=ラ」と、「ラの音から半音3つ分(短三度)=ド」の音が組み合わせるとFメジャーコードとなります。
こういった音程の組み合わせによって、さまざまな和音の響きが作られていることを押さえておきましょう。
コードネームとは?
コードひとつひとつには、「コードネーム」と呼ばれる名前がついています。楽譜を読まなくても和音をかんたんに再現ができるとても便利な記号です。
コードをマスターするには、コードネーム・構成音・和音の響きをセットで理解するのが効果的です。
コードネームの表記は難しくありません。下記のとおり、英語音名が基本となり表記されます。
大文字の英語音名が「コードの起点となる音=ルート」を指し、+〇〇の部分は「和音の重ね方を指示する部分」です。
例えば、Cmであれば「ルートはCで、m(マイナー)の音の重ね方で弾いてね」ということです。
下記の記事ではコードネームについてより詳しく解説しています。
では、実際に主要となる三和音の種類と構成音について見ていきましょう。
3.三和音の種類と構成音
最も主要となる三和音はたった4つだけ。
- Major(メジャー)
- Minor(マイナー)
- m(b5)(マイナーフラットファイブ)
- aug(オーグメント)
極端ですが、この4つが理解できれば基本的にほぼすべての楽曲が演奏できます。それくらい大切なコードです。
三和音は、基本的に三度音程である「長三度(半音4つ分)」と「短三度(半音3つ分)」で構成されているのが特徴です。その組み合わせによって響きと呼び方が変わります。
ひとつずつ見ていきましょう。
Major(メジャー)
明るく明瞭な響きが特徴です。
Minor(マイナー)
マイナーと呼ぶだけあり、こちらは暗い響きですね。メジャーコードと重ねる順番が逆となり、第三音(3rd)が半音違いになっています。
m(b5)(マイナーフラットファイブ)
マイナーコードよりさらに暗い響きが特徴です。
マイナーコードの第五音(5th)が半音フラットしているので「マイナーフラットファイブ(マイナーフラットフィフス)」と呼びます。また、別名で「ディミニッシュ」とも呼ばれますが構成音は同じです。
aug(オーグメント)
メジャーコードの第五音(5th)を半音あげたコードです。すこし不思議な響きが特徴ですね。
3.特殊な3和音と構成音
次は、少し特殊な三和音について解説していきます。
- sus4(サスフォー)
- sus2(サスツー)
特殊といえど、とてもよく登場するコードなのでしっかり押さえていきましょう。
sus4(サスフォー)
「sus」は「Suspended」の略で、「吊るす」「一時停止する」「保留する」といった意味があります。
sus4はの由来についてはさまざまですが、
- メジャーコードの第三音(3rd)を一時的に4度にスライドしている(保留している)。
- 楽譜上で見ると3度を4度に吊るしあげた状態に見える。
といった解釈が多いようです。
確かに真ん中の音(3度)が吊し上げたようにも見えますね。
いずれにせよsus4の4度の音は3度にいきたくなる特性があることから、メジャーコードと繋げて使用されることが一般的です。
Cへの進行で雰囲気が落ち着いて感じられたかと思います。これがsus4の特徴です。
sus2(サスツー)
sus2についても基本的にsus4と同じ。メジャーコードの第三音(3rd)を第二音(2rd)に置き換えているコードです。
メジャーでもマイナーでもないような雰囲気が好まれて使われることもありますが、メジャーコードとsus4と組み合わせて使用するケースも多いですね。
4.コードの読み方と表記
ここまで紹介してきた主要な三和音について、読み方と表記を整理しておきましょう。
コードネームの読み方や表記は、個人の解釈によってさまざまですが、どれもよく使われているため迷わないようにしておきましょう。
三和音の名前 | 表記 | 表記補足 |
---|---|---|
メジャーコード | C | ※メジャーコードは無記載 |
マイナーコード | Cm/C- | |
マイナーフラットファイブ (ディミニッシュ) | Cm(b5)/Cdim/C◯ | dimは「◯」と表記されることもある。 |
オーグメント | Caug/C+ |
ヒント
コードネームに「6」や「7」、それ以上数字の記載がなければ、基本的に三和音です。
まとめ
コードの概要とコードネーム、もっとも基本となる三和音について解説してきました。
どれもかなりの頻度で登場するコードですので、構成音とコードネームをセットで覚えておきましょう。
次回の記事では4和音について解説していきます!