導入・基礎知識

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07.理解必須!ダイアトニックコードをマスターしよう!

この記事は約 5 分で読めます。

今回は、より実践的なコード理論について解説していきます。

コードはそれ単体では特に意味を持ちません。特定のキーの中で使われるときにはじめて音楽になります。キーの中でコードが繋がるとコード進行が生まれ、曲全体の構造や進行が理解できるようになります。

今回ご紹介する「ダイアトニックコード」をしっかり押さえておくことで、実際の演奏に活かすことができるようになります。とても大切な内容なので、しっかり理解を深めてくださいね!

この記事のポイント

  • 楽曲の基本である「ダイアトニックコード」から覚えよう
  • ポップス音楽の理解に欠かせない「ディグリーネーム」を理解しよう
  • ダイアトニックコードを使ったコード進行例を見てみよう

1.ダイアトニックスケールとダイアトニックコード

ダイアトニックスケールとは、かんたんに説明すると「曲の土台となるスケール」のこと。

以前もお話しした通り、多くの楽曲はメジャースケールやマイナースケールを土台にして作られています。そのため、これらのスケールは「ダイアトニックスケール」とも呼ばれます。

そして、このスケールから生成されるコード群を「ダイアトニックコード」と呼び、これらのコードが楽曲の中で演奏される基本の和音になります。

具体的にどういうことなのかみていきましょう。

ダイアトニックスケール

「Diatonic(ダイアトニック)」という言葉はギリシャ語に由来しています。

  • dia:「通して」「全体を通じて」
  • tonic:「主音」

つまり、「ダイアトニックスケール」とは、特定のキーにおいてもっとも自然な形で展開されるスケールのことを指します。

実際にはキーの主音を起点としたさまざまなスケールがありますが、もっとも代表的なスケールが「メジャースケール」と「マイナースケール」です。これらのスケールが自然な音階としてもっとも広く使われているため、一般的にダイアトニックスケールと同じものと解釈されることが多いです。

CメジャースケールもAマイナースケールも、1オクターブ内に「全音5つ」と「半音二つ」の音程で構成されたスケールです。この音程の構成はダイアトニックスケールとしての特徴でもあり、これがモード理論の基盤にもなっています。

ダイアトニックコード

ダイアトニックコードは、前述のとおりダイアトニックスケールの音を使って構成された7つの和音群のことです。

必ず押さえてほしいポイント!

ダイアトニックスケールの特定の音をルート(根音)として選び、スケール内の音をひとつ飛ばしで重ねていくと和音ができます。ルートを変えながら同じ要領でできた異なる7つの和音群が「ダイアトニックコード」です。

重ねる和音の数によって以下のように呼び方が変わりますが、どちらもダイアトニックコードです。

ダイアトニックトライアド(三和音)

ルートを含めて3つ音を重ねた和音です。「メジャー」「マイナー」「マイナーフラットファイブ」の3種類で構成されます。

Cメジャースケールの場合はすべて白鍵なので、Cの押さえ方で横にスライドしていくだけです。簡単ですね。

ダイアトニックセブンスコード

ダイアトニックとアイアドに、さらに1音を加えた4音の和音です。緑色の音がセブンスの音になります。

「メジャーセブンス」「マイナーセブンス」「セブンス」「マイナーセブンスフラットファイブ」の4種類で構成されます。

2.ディグリーネーム

ディグリーネームとは、スケールやコードを数字で把握するための考え方です。

主音を起点に順番にナンバリングすることで、スケールやコードを構造的かつ相対的に理解することができます。

詳しくみていきましょう!

ディグリーネームの表記

ディグリーネームは基本的にローマ数字で表記します。そのスケールの音が何度の音なのか、そのコードが何度の和音なのかを表すことができます。

ダイアトニックスケールのディグリーネーム

このように1〜7でナンバリングすることができます。

ダイアトニックトライアドのディグリーネーム

ダイアトニックトライアドの1〜7のコードは必ず下記の規則性になります。

  • I = メジャーコード
  • IIm = マイナーコード
  • IIIm = マイナーコード
  • IV = メジャーコード
  • V = メジャーコード
  • VIm = マイナーコード
  • VIIm(b5) = マイナーフラットフィフス

ダイアトニックセブンスコードのディグリーネーム

ダイアトニックセブンスコードも必ず下記の規則性になります。

  • I△7 = メジャーセブンス
  • IIm7 = マイナーセブンス
  • IIIm7 = マイナーセブンス
  • IV△7 = メジャーセブンス
  • V7 = セブンス
  • VIm7 = マイナーセブンス
  • VIIm7(b5) = マイナーセブンスフラットファイブ

上記はKey=Cで示したもので、音名やコードネームは実音での表記になりますが、ディグリーネームは相対的なのでキーが異なっても変わることはありません。

ディグリーネームのメリット

ディグリーネームを利用すると楽曲の構造が理解しやすくなります。特にコード進行の分析に役立ったり、異なるキーの楽曲との比較や転調もやりやすくなります。

例えば下記のコード進行をディグリーネームに変換して、キーを変えてみましょう。

上記をKey=Gに変換してみましょう。

このように各キーの何番目のコードなのかがわかると、移調がとても簡単にできます。キーを越えて楽曲を理解するために、ディグリーネームの理解は必要不可欠です。

ローマ数字が読みづらければ、最初のうちは数字に置き換えてみてもよいでしょう。自分なりに工夫して理解を深めてみてください。

3.ダイアトニックコードを使ったコード進行例

ここではダイアトニックコードを使ったコード進行をいくつか紹介したいと思います。

ダイアトニックコードだけを使った部分をピックアップしてみました。楽曲全体を通してもほぼダイアトニックコードだけで構成されており、ダイアトニックコードの重要性を感じられるかと思います。

Church on Sunday / Green Day

ピアノ曲ではありませんが、とてもシンプルなコード進行だったのでピックアップしてみました。イントロとAメロは同じコード進行の繰り返しです。チェックしてみてください!

「I – IV -V」のシンプルなコードの繰り返しですね。

That’s The Way It Is / Céline Dion

こちらの楽曲ではサビを抜粋してみました。2小節のコード進行が繰り返されているのがわかりますね。

天体観測 / BUMP OF CHICKEN

こちらの楽曲ではAメロを抜粋してみました。とてもシンプルなコード進行です。

 まとめ

ダイアトニックスケールとダイアトニックコードについて解説してきました。

コードブックなどでコードを闇雲に暗記しようとする人がいますが、ポップスを弾きたいのであればこのやり方はナンセンスです。弾きたい曲のダイアトニックスケールとダイアトニックコードを優先的に覚えたほうが圧倒的に効果的です。

この記事は必ず理解してほしい内容なので、何度も復習して理解を深めてくださいね!

この記事のポイント

  • ダイアトニックスケールとダイアトニックコードの楽曲演奏の必須項目!
  • ディグリーネームはコード進行の分析や理解するために必ず理解しよう!
  • コードの丸暗記はナンセンス!弾きたい曲のダイアトニックコードを覚えることが演奏習得の近道!

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