ピアノ伴奏

ピアノ伴奏

04. コードの押さえ方基礎②両手伴奏の基本

この記事は約 4 分で読めます。

この記事ではコードを伴奏にするための基本的なステップを解説していきます。

ここまでで学んだ知識をコードを伴奏にするステップは以下のような流れになります。

  1. キーを特定してダイアトニックコードを確認
  2. コード進行の押さえ方を確認
  3. 左手でベース音を弾く
  4. 転回形を活用する
  5. リズムに合わせて弾く

ひとつひとつをしっかりもらうために、この記事で使用している楽譜をまとめたものを用意しました。ダウンロードしてぜひご活用ください。

この記事のポイント

  • コードネームから伴奏に発展させる方法がわかる。
  • 楽譜がなくても伴奏ができる理由がわかる。

1.キーを特定してダイアトニックコードを確認

最初に演奏曲のキーを特定しましょう。演奏をする上で最初に確認するべきことはキーの特定です。

キーの特定とは「メジャー(マイナー)スケールの特定」であり、「ダイアトニックコードの特定」でもあるからです。

ダイアトニックコードは「楽曲のコード進行の中心となるコード群のこと」でしたね。

あらゆる楽曲のコード進行はこの7つのコードが中心となり、約70〜80%程度を占めています(楽曲によってはダイアトニックコードだけでできている曲もあります)。

すなわち、この7つのコードをスムーズに弾けるようにすることが伴奏習得の大きな鍵になるというわけです。

2.コード進行の押さえ方を確認

次に、実際のコード進行を見ながら押さえ方を確認していきましょう。The Beatlesの世界的な名曲「Let It Be」のコード進行を題材に解説していきます。

まずはこちらの楽曲を聴いてみてください。

 Let It Beのコード進行

Let It Beのコード進行はとてもシンプルです。ダイアトニックコードだけで構成されており、しかもコード進行は基本的に2種類だけです。

初級者向けのためコード進行は少し簡単にしていますが、今回はこの「A」「B(サビ)」のコード進行を題材にしていきます。

ダイアトニックコードを当てはめる

まずは、コード進行にダイアトニックコードを当てはめてみましょう。

コードを並べただけでも曲の雰囲気が感じられますね。

3.左手でベース音を弾く

次は左手の演奏です。

ポップスのピアノ伴奏において、左手は基本的に「ベース音」を演奏します。ベース音とはコードの最も低い音のこと。

通常はルート音がベース音になりますが、オンコード(分数コード)の場合は、「/●」とベース音が指定されるため、左手は●の音を弾きます。

「B」の1小節目のEm/Gは左手で「ソ」を弾くということですね。

左手が入ることで、より伴奏になってきましたね。

4.転回形を活用する

次に、右手のコードの押さえ方を転回形を用いて発展させていきましょう。

転回形とは「コードを構成する音の積む順番(並べる順番)を変えて、響きを変化させる手法」でしたね。

転回形は下記の用途で活用します。

  • コードとコードのつながりを滑らかにする
  • コード進行の雰囲気を変える

それぞれを実際のコード進行に当てはめていきましょう。

 

1. コードのつながりをなめらかにする

まずはコード進行に沿って、転回形を取り入れていきましょう。例えば、最初のC→Gに移動する際下記のように繋げることができます。

上記のように、できるかぎり共通の音はそのまま残すことがポイントです。

CとGの共通の音は「ソ」となります。Cの「ソ」の音を中心に「G」の押さえ方を決めていく場合、「シ・レ・ソ」がもっとも自然なつながりになります。

もちろん「レ・ソ・シ」のように並べても問題ありませんが、最初のうちは「一番上の音」か「一番下の音」が残るように並べていくとわかりやすいでしょう。

同じようにそれ以外のコード進行にも転回形を当てはめていきましょう。

「G」から「Am」のつながりは共通の音がない場合は、移動が少ない押さえ方を採用しました。かなり曲の雰囲気ができてきましたね。

2. コード進行の雰囲気を変える

転回形は使い方で雰囲気を変えることができます。雰囲気を変更する方法は2つ。

a. セクション最初の押さえ方を変える

セクションの最初の転回形を変えると、セクションそのものの雰囲気が変わります。

今までの基本形だけのものと比べると、明らかに雰囲気が変わりました。楽曲の雰囲気に合わせて、このように転回形を使い分けていくと表現の幅が広がります。

b. 1回目と2回目の押さえ方を変える

1曲の中で同じコード進行が繰り返されることがあります。同じコード進行の中で変化を作るコツは「転回形の使い方を変えること」です。

Aメロの進行を2回繰り返してみたので違いをみていきましょう。

どこがかわったかわかりましたか?

正解は7小節目の「C」「G」です。このようにほんの少しの変化を加えるだけで雰囲気を変えることができます。

例えば、1番と2番で押さえ方を全て変えれば、さらにガラッと雰囲気を変えることもできますね。

5.リズムに合わせて弾く

最後は、ここまでの押さえ方を用いて実際にリズムに合わせて弾いてみましょう。まずはもっとも代表的な「4分弾き」に慣れていきましょう。

「4分弾き」は伴奏の基本であり王道です。4分弾きだけでもたくさんの楽曲が演奏できるようになります。

最初は下記2つのリズムパターンを練習しましょう。

1. 右手で4分音符を演奏する

まずは右手だけを4分音符で演奏してみましょう。

だんだん伴奏らしくなってきましたね。

2. 左手でリズムの隙間を埋める

次に左手のリズムを変えてみましょう。伴奏を本格的にするには、リズムを発展させていく必要があります。ポイントは左手の使い方にあります。

今回は右手が4分音符を刻んでいる中で、その隙間に左手で8分音符を弾いてみましょう。

上記の場合、コードチェンジする手前に左手で8分音符を弾きました。この音が加わることでリズムに推進力や輪郭のようなものが生まれます。

まとめ

コードからピアノ伴奏に発展させる方法について解説してきました。今回の内容はとても基本的なものですが、王道でありとても重要な考え方です。

この記事で紹介した内容は、一度全て弾けるように練習してみてください。

実際に自分が取り組んでいくプロセスが、もっとも理解を深めてくれます。下記から楽譜がダウンロードできるのでぜひ活用してくださいね。

この記事のポイント

  • 楽曲のコード進行の中心になっているコードはダイアトニックコード。
  • 転回形を活用でコードのつながりをスムーズにしたり、楽曲の雰囲気を変えることができる。
  • 左手の役割は「ベース音」と「右手のリズムの補助」。

会員ログイン

TOP